導入シナリオ

導入シナリオの一例
manuremodel

ドイツでも実施されている導入モデル

畜糞尿や草、藁などの処理は手間とコストがかかります。もちろん、堆肥化して農地に戻す手法も非常に効果的ですが、匂いの問題の他にバイオマスの可能性を無駄にしているという現実があります。国内の酪農家の多くは規模が小さく、50頭に満たない頭数を飼育していますが地域の堆肥センターなどと連携し畜糞尿に加え藁や籾殻などを混ぜ合わした原料からエネルギーを抽出し、栄養分は農地に返すことも可能です。理想的なシステムではメタン発酵させガス発電によるエネルギー供給と売電収入の確保、発酵残さのHTC炭化物を堆肥化又は燃料化し更なるエネルギー供給と売電収入を確保することができます。もちろん、メタン発酵なしで直接HTC処理も可能ですし、発電と堆肥化のバランスなど総合的な事業設計に基づいた調整が重要となります。

飼育頭数が多く、牛糞尿より炭素含有もエネルギー量も高い鶏糞や豚糞のHTC処理は特に有効で経済性も高いため、単独のみならず地域ぐるみの事業設計もお勧めです。

woodmodel

分散型エネルギー拠点と間伐材を使い切るインセンティブ

林業従事社の高齢化と原木やチップ材の限られた経済性、更には製材の出荷に至までの加工と乾燥に必要となる膨大なエネルギーとコスト。これらを解決しなければ日本の林業と製材業の飛躍的な復活と成長は見込めないのが現状です。もちろん間伐材や一般バイオマスの多くは直接燃焼などで簡単にエネルギーに変換できます。効率性の観点から考えるとガス化発電が更に魅力的です。しかし、注目すべきはここだけではありません。

森林資源の管理に必要不可欠な資源管理は間伐材の全てを無駄無く使うことも意味します。現在森林に取り残される枝や木の先端、根や製材所で発生するおがくずやバーク材をボイラーなどで使用する場合、アッシュや温度低下など様々な問題が発生します。これらの多くは製紙業者や焼却施設に送られるか森林に放置されています。回収しても大きな利益とエネルギーを生み出さない。この現状を変えるにはこれらを安価で安定的に高エネルギー燃料に変換することです。過熱蒸気式炭化[HTC]でこれらを単一燃料にすることで製材業者のコスト削減と地域のエネルギー供給に貢献します。